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元銀行員が住宅ローンのすべてをわかりやすく説明します

公開日:2019年 4月14日
更新日:2022年 2月 4日


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「借入できる金額」と「返済できる金額」

住宅ローン借入額の目安を考える場合、とても大切なポイントがあります。
それは住宅ローンを「借入できる金額」と「返済できる金額」に分けて考えることです。
「借入できる金額」でいいんじゃないと思っている方、ちょっと待ってください。
住宅ローンは長い場合35年間も返済が続きます。
長い人生、何が起こるかわかりません。
私が銀行員時代、無理な住宅ローンの借入で返済ができなくなり、泣く泣く家を手放したというケースを少なからず見てきました。
ですから住宅ローン借入額の目安を考える場合は「借入できる金額」ではなく「返済できる金額」で考えなければなりません。
不動産業者や建築業者も商売ですから、少しでも高い物件を勧めたいはずですよね。
金融機関も同じく商売、「貸せる金額」を少しでも多く貸したいのです。
この金融機関の「貸せる金額」こそ住宅ローン申込者の「借入できる金額」なんです。
金融機関は住宅ローンを融資する際、土地・建物を担保に取ります。
もし借主が住宅ローンを返済できなくなれば、担保である土地・建物を処分して住宅ローンを回収します。
すなわち、「土地・建物を処分して回収できる金額」≒「金融機関が貸せる金額」=「借入できる金額」なのです。
では、「借入できる金額」と「返済できる金額」のそれぞれについて見ていきましょう。

借入できる金額(金融機関が貸せる金額)

金融機関は住宅ローンでどの程度の金額まで融資できるのでしょうか?
この基準は金融機関によって違いますが一般的なラインで見てみましょう。
借入できる金額のベースとなるのは年収です。
借入できる(金融機関が貸せる)住宅ローン額は、「返済負担率」という基準によって算出されます。

返済負担率とは
年収に占める年間返済額の割合のことを言います。
年収は税込だったり、手取だったりと金融機関によって基準が異なりますが、ここでは税込の年収で考えていきます。
返済負担率 = 住宅ローンの年間返済額 ÷ 年収(税込) × 100
もし住宅ローン以外のローン(自動車ローンなど)があれば、その返済額も含めて計算します。
住宅ローンの年間返済額が100万円で、年収が400万円なら、
100万円 ÷ 400万円 × 100 =25%
返済負担率は25%ということになります。

金融機関はこの返済負担率に基づいて住宅ローンで貸せる額を計算するんです。
一般的に金融機関では、借りる人の年収により返済負担率を25〜40%程度としています。
年収が高ければ、住宅ローンの返済に回せる額も多いので返済負担率は高めで計算されるんです。
住宅金融支援機構のフラット35は返済負担率の基準がはっきり決まっています。

 年収  400万円未満  400万円以上
 返済負担率  30%  35%

上記を踏まえて、借入できる金額(金融機関が貸せる金額)の前提となる返済負担率を35%と仮定しましょう。
返済期間や金利によっても、借入できる金額は変わってきますので金利は4%と仮定します。
そうすると、借入できる金額(金融機関が貸せる金額)はおおよそ以下のようになります。

住宅ローンで借入できる金額(金融機関が貸せる金額)

年収\返済期間  25年  30年 35年 
 400万円  2,210万円  2,440万円  2,630万円
 600万円  3,310万円  3,660万円  3,950万円
 800万円  5,260万円  5,260万円  5,260万円
 1000万円  5,520万円  6,100万円  6,580万円
 1200万円  6,630万円  7,330万円  7,900万円

上記の金額はあくまでも目安ですが、結構多いと思いませんか?
でも勘違いしないでください。
これはあくまでも借入できる金額(金融機関が貸せる金額)です。
こんなに借りてしまったら、それこそ大変ですよ。
それを説明するために、上記のパターンで毎月返済額を見てみます。
条件は同じで金利は4%の固定とし、借入金額と返済期間は上の表と同じにします。
元利均等払いでボーナス併用払いはなしとします。

住宅ローンで借入できる金額(金融機関が貸せる金額)の毎月返済額

年収\返済期間  25年  30年 35年 
 400万円  116,651円  116,489円 116,449円 
 600万円  174,713円 174,733円 174,896円
 800万円 233,303円  232,978円  232,899円
 1000万円  291,365円  291,223円  291,345円
 1200万円  349,955円  348,513円  348,513円

年収別に見て、返済期間が異なっても毎月返済額が同じであることにお気づきでしょうか?
これは年収をベースに返済負担率を35%と仮定して計算したからこうなるのです。
考え方はこうです。
年収を12で割って月収に引き直します。(ボーナスも含めて月収に直すんです)
その月収の35%(返済負担率)を支払いに充てるという考え方なんです。
例えば、年収が600万円なら12で割って、月収を50万円と考えます。
その月収50万円のうち35%を住宅ローンの返済に充てるといった考え方です。
50万円 × 35% = 17.5万円
上記の表の毎月返済額と一致することがお分かりになると思います。
つまり、住宅ローンで借入できる金額(金融機関が貸せる金額)は年収をベースに月収を算出し、返済負担率35%の毎月返済額を求め、その金額に応じた返済期間別の金額を示しているんです。
返済負担率35%の毎月返済額は同じですので、返済期間が長いほど住宅ローンで借入できる金額(金融機関が貸せる金額)が多くなるんです。

返済できる金額(返済に無理のない金額)

繰り返しますが、上述の金額は住宅ローンで借入できる金額(金融機関が貸せる金額)の目安です。
「返済できる金額」とは違います。
例えば、年収400万円の人ならどうでしょうか?
年収400万円とすると、月収は33.3万円です。
これは税込の金額であって、税金や社会保険を差し引いた手取り額は27万円程度になると思われます。
手取りの月給が27万円で住宅ローンの返済が毎月11万6千円は正直無理です。
収入の高い方であれば、返済負担率が高い返済も可能だと思いますが、まだ若かったり収入の低い方は返済負担率を落とすべきなんです。
住宅ローンの返済負担率は一般的に25%以内が安心ラインと言われています。
収入が低い場合は、返済負担率を20%程度までで考えた方が無難です。
もう一度年収400万円の人で考えてみます。
手取り額27万円に対し、返済負担率を35%の借入できる金額(金融機関が貸せる金額)に対する毎月返済額は11万6千円でした。
この返済負担率を25%とすると毎月返済額は8万3千円、返済負担率を20%とすると毎月返済額は6万7千円になります。
こうして見ると行けそうな感じに思えませんか?
もちろん、毎月返済額が低くなった分だけ借入できる住宅ローンの金額は減りますが、無理は絶対禁物です。

くどいようですが、過大な住宅ローンの設定だけは絶対やめてください。
家族の豊かで幸せな暮らしのために住宅ローンを借りて家を取得するんです。
それが返済に苦しんだり、挙句の果てに家を手放したりしては元も子もないのですから。
次のページでは、年収別に「借入できる金額」と「返済できる金額」を具体的に見ていきましょう。

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