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元銀行員が住宅ローンのすべてをわかりやすく説明します

公開日:2019年 4月14日
更新日:2022年 1月12日


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変動金利型住宅ローン

変動金利型住宅ローンとは、市場金利の変動に伴い返済途中でも定期的に金利が変動するタイプの住宅ローンです。
金利は半年に一度見直しが行われますが、毎月返済する額については、5年に1度の見直しが一般的です。(5年ルール)
金利が変更された後の返済額についても、これまでの返済額の「1.25倍まで」とされており(1.25倍ルール)、「返済額が急激に上昇してしまう」というリスクへの対処もなされています。
商品によっては金利の見直しに連動して半年ごとに返済額が変わるものもあります。
変動金利型住宅ローンの魅力は借入れ時の金利の低さです。
固定金利型はその期間に応じた市場金利すなわち「長期金利」がベースになります。
一方、変動金利型は短期プライムレートとよばれる「短期金利」がベースになります。
変動金利型住宅ローンはベースになる金利が短期金利ですので長期金利がベースになる固定金利型に比べると金利は圧倒的に低くなります。
変動金利型住宅ローンは銀行が金利リスクを負わず、借主が金利リスクを負うので金利が低いのです。
固定金利型は銀行が長期間にわたる金利上昇リスクを負う形になりますので、プレミアムを金利に上乗せすることからどうしても金利が高くなってしまいます。
では変動金利型住宅ローンのメリット・デメリットについて見ていきましょう。


変動金利型住宅ローンのメリット

固定金利型と比較して金利が低い
契約時や借入時の金利が固定金利型と比較して圧倒的に低いので、短期的な返済額は低く抑えることができます。
ただし、これは全期間支払った総支払額とは異なります。

返済額が5年間変わらない(5年ルール)
返済額の見直しが5年ごとのタイプは、5年間は毎月の返済額は変わりません。
ただこれには落とし穴があるんです。
毎月の返済額は住宅ローンの元本と利息の合計です。
5年間は毎月の返済額は変わりませんが、半年ごとに金利は見直されています。
もし金利が上昇していれば、金利の支払いは増えていきます。
つまり、毎月の返済に占める金利の割合が増えていくんです。
言い換えれば元本の返済が減っていくということになり、住宅ローンの残高が減らないことになってしまうんです。
5年間、毎月の返済額が一定なのは計画が立てやすくメリットはありますが、金利が上昇している場合は、住宅ローンの元本が減っていかないというリスクを伴うんです。
反対に金利が低下する状況でしたら、毎月の返済に占める金利の割合が減り、元本の割合が増えてますので、住宅ローンの元本が減っていきます。

毎月返済額の上昇率は1.25倍までと上限がある(1.25倍ルール)
返済額の見直しが5年ごとのタイプは、5年間は毎月の返済額は変わりません。
ということは5年経過すると毎月の返済額が見直されます。
仮に金利が上昇していた場合、金利の負担が大きくなりますので毎月の返済額も増えます。
金利が大幅に上昇していたら、返済額が急激に上昇してしまう事が考えられます。
その対応として、新しい毎月の返済額の上昇率は従来支払っていた返済額の1.25倍までと決められています。
ここにも落とし穴があります。
たしかに、新しい返済額はこれまでの返済額の1.25倍までと返済額が急激に上昇してしまうリスクへの対処もなされています。
しかし、毎月の返済額が1.25倍になったということは金利は上昇しているということです。
上述の5年ルールのところでも書きましたが、金利が上昇していれば毎月の返済に占める金利の割合が増えているんです。
毎月の返済額はこれまでの返済額の1.25倍でどうにか支払えるけれど、その返済額の内容はほとんどが利息で、元本が減らないといったリスクがあります。
金利の上昇度合いにもよりますが、仮にとんでもなく金利が上がってしまうと、利息分が毎月の返済額を超え、「未払い利息」が生じてしまう可能性もあります。
極端な例ですが、この場合毎月決められた返済金額を支払っているにもかかわらず、借り入れ残高(元金)はまったく減らないどころか「未払い利息」というあらたな借金が増えてしまうことになるんです。
「毎月返済額の上昇率は1.25倍までと上限がある」毎月の返済額が抑えられているメリットの裏にはこんなリスクがあることを理解しておいて下さい。

変動金利型住宅ローンのデメリット

金利が上昇すると返済額も増える
契約時や借入時の金利が固定金利型と比較して圧倒的に低い変動金利型住宅ローンですが、借入後に金利が上昇すれば当然利息も増えることになり、その分住宅ローンの総返済額は増えてしまいます。
返済額が変動するため将来設計がしにくい
5年ルールによって毎月の返済額は一定でも、半年ごとの金利見直しによって元本と利息の割合は変動していますので、思った以上に住宅ローンが減っていないといったリスクがあります。
また5年経てば、その時の金利で毎月の返済額に見直しが行われ、これまでの返済額の1.25倍まで返済額が増えるリスクもあります。
このように、金利の動向によって返済額が左右される変動金利型住宅ローンですので、将来的なマネープランが立てづらいデメリットがあります。

5年ルールや1.25倍ルールの適用で返済総額の増大する
上述の変動金利型住宅ローンのメリットで説明した5年ルールや1.25倍ルールがはらむリスクのことです。
5年ルールや1.25倍ルールのメリットは毎月の返済額が変動しない、また、見直しでも急激に上がらないといった、毎月の支払いに配慮したメリットです。
そのメリットの裏側には、金利が上昇した場合、金利分だけが増えて元本分が減らない、つまり住宅ローンの総返済額が増えるリスクをはらんでいるんです。

変動金利型住宅ローンはこんな人にお勧め

1.長期間ではなく、10年ほどの短期間で返済を考えている人
2.先々を見越した「リスク管理」が得意な人
3.金融市場などに注意を払い、金利の変動をチェックするのが負担にならない人

ここまで見てくればお分かりでしょうが、変動金利型住宅ローンのメリットは全期間固定金利型住宅ローンのデメリットに相当します。
ですから、その中間というかミックスである固定金利期間選択型住宅ローンといった商品が存在するんです。
今後長い期間の金利動向は誰にもわかりません。
ですから、無理のない返済を念頭に、ご自身のライフプランに沿ったタイプの住宅ローンを選ぶことが何よりも大切です。

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