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元銀行員が住宅ローンのすべてをわかりやすく説明します

公開日:2019年 4月14日
更新日:2022年 2月 4日


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団体信用生命保険(団信)に加入できない場合

前ページの「団体信用生命保険(団信)」で説明したように、民間金融機関のほとんどがこの団信加入を住宅ローン借入れの条件としています。
団体信用生命保険(団信)はまさに生命保険ですので、加入に際しては健康状態が問われます。
通常の生命保険同様、健康上の理由から引受けてもらえず、住宅ローンの借入れができないという事態が起こるんです。
持病があって団信に加入できないと住宅ローンは借りられないのでしょうか?
そんなことはありません。
借り入れできる住宅ローンの選択肢は少なくなってしまいますが、方法はあるんです。
ここでは団信に加入できない人が住宅ローンを借りる方法についてご紹介します。


住宅ローンを申し込む金融機関を変える

団信の審査は引き受け保険会社で行われるので、その基準はブラックボックスで金融機関ではわかりません。
私の義弟の話ですが、団信申込み前の1か月前、胃炎で病院に通い薬を服用していました。
勤務先の取引銀行で給与振り込みをしていた銀行に住宅ローンを申し込み、団信申込みでその旨を告知したところ団信が通らなかったそうです。
つまり審査に通らなかったんです。
すぐさま別の銀行に住宅ローンを申し込んだところ、こちらの団信は何の問題もなくパスしました。
その話を聞いて引き受け保険会社の審査基準も様々なんだと実感した次第です。
金融機関ごとに引き受け保険会社は違います。
このように健康状態の問題が軽微であれば、住宅ローンを申し込む金融機関を変えることで引受保険会社が変わり、団信に通る可能性があります。

ワイド団信を利用する

健康状態により団信に加入できなくても、一般の団信より引受け基準が拡大された「ワイド団信」であれば加入できる場合もあります。
生命保険には引受緩和型と言って、健康状態での保険の引受け範囲を広げて緩やかにしているものがあります。
通常の生命保険に比べると保険料は割高になりますが、通常の生命保険には加入できないが保障を確保したいという方のための保険です。
団信にもこの引受緩和型の生命保険があり、これを「ワイド団信」といいます。
糖尿病、高血圧症、肝機能障害など健康上の理由で通常の団信に通らない場合でも、加入条件が緩和されたワイド団信なら加入できる可能性があるんです。
告知項目は、通常の団信とほぼ同じです。
「3ケ月以内に医師の診察を受けていないか」、「3年以内に2週間以上の治療はないか」、「障害はないか」といった内容です。
加入できる基準は引受保険会社によって異なり、明確な基準はわかりませんが、引受範囲を広げて緩やかにしていることで、通常の団信よりも加入しやすいんです。
団信の保険料は銀行の負担です。(銀行負担といっても金利に乗っかっているんですが・・・)
ですから、ワイド団信付き住宅ローンの場合には適用される住宅ローンの金利が通常よりも0.2~0.3%高くなります。
また、申込みできる年齢の上限がありますので注意してください。
ワイド団信はメガバンクをはじめ、一部の地方銀行、ネット銀行でも取り扱われています。
取り扱う金融機関は増えてきていますが、まだそんなに多くはありません。
ですから、通常の団信に通らなかった場合はワイド団信を取り扱っている金融機関を調べて住宅ローンを申し込んでみるといいでしょう。
ただ、健康状態に問題があったり、病歴があるからといって通常の団信に通らないとは限りません。
一般の団信とワイド団信では引受会社が異なりますので、まずは通常の団信に申込み、通らなかった場合にこのワイド団信に申込みするとよいでしょう。
問題はこのワイド団信に通らなかった場合です。
次はそのケースを見ていきましょう。

すでに加入している生命保険を活用する

健康状態に問題のなかった時に加入していた生命保険があれば、団信の代わりにその生命保険を活用する方法があります。
生命保険は健康状態に問題があると加入できません。
しかし、健康であった若い時に生命保険に加入し、その後健康状態が悪化するケースは少なくありません。
例えば健康に全く問題のなかった20代、会社に入社後、生命保険に加入したとします。
その後、35歳で病気になり健康状態が悪化しました。
病気になった後は基本的に生命保険に新たに加入することはできませんし、住宅ローンの団信も加入できません。
しかし、健康だった20代に加入した保険があります。
もしものことがあれば、その保険金は支払われるんです。
この保険があれば、団信の代わりに住宅ローンが借りられる可能性があるんです。
可能性があると書いたのは、この取り扱いは金融機関次第だからです。
私が以前勤務していた地方銀行では、まずこのような柔軟な対応はできないでしょう。
実際私の友人がこの方法を使ってメガバンクで住宅ローンを借りることができました。
その話を聞いてメガバンクは対応が柔軟だなと感心したものです。
ただし、加入している保険金額と住宅ローンの借入額があまりにも乖離していると難しいでしょう。
住宅ローンの借入額に近い金額同等かそれ以上の保険に加入していなければ難しいかもしれません。
また、保険金の受取人(通常は配偶者)を連帯保証人にすることが条件になると思います。
以上のように現在の健康状態が悪く、団信に加入できない場合でも、昔加入した生命保険があれば、金融機関によっては住宅ローンが組める場合がありますので検討してみてください。

団信に加入しなくてもよい住宅ローン(フラット35)を使う

住宅金融支援機構の「フラット35」を利用する方法です。
フラット35は団信への加入は任意です。(もちろん団信に加入する事も可能です)
団信に加入しなくてもよいのですから、団信の心配はなくなります。
これは健康上、どうしても団信に加入できない人が住宅ローンを借りる機会を奪われないよう配慮された制度なんです。
ある意味、団信に加入できない人の「最後の砦」的な住宅ローンです。
家族のためにも、団信加入は必要ですが、やむを得ない場合は、団信に入らなくても借入れできる「フラット35」を利用する方法があります。

団信はもしもの時に家族に役立つものです。
一家の大黒柱にもしものことがあれば、住宅ローンはその保険金で返済され、家族には家が残ります。
上記のフラット35のように団信に加入できなくても借りられる住宅ローンもあります。
ですから、団信に加入していない場合には、もしもの時でも住宅ローンは自動的になくならない点はしっかり肝に銘じておきましょう。
その場合は住宅ローンの返済は残された家族が引き継がなくてはなりませんので、返済を続けられるかどうかをしっかり考えておいてください。
・加入している生命保険が充分ある
・返済に困らない貯蓄がある
・残された家族で返済が続けられる
このような状況でなければ、残された家族が大変な思いをすることになってしまいます。
どれだけの保険や貯蓄があるのか、また誰が責任をもって返済の手続きを進めるのかなど、あらかじめ確認しておきましょう。
その後の家族の負担を、少しでも少なくしておくことが何より大切です。
対応が難しい場合は、借入額や借入れそのものを検討する必要があるでしょう。
また、団信に加入するために告知義務違反(虚偽の告知をすること)をする人がいます。
それが原因で保険金がおりないようなことがあれば、大変な思いをするのは残された家族です。
ですから、告知は正しく行わなくてはなりません。
しかし、住宅ローンひとつにしても「健康」ってつくづく大事なんですね。

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