本文へスキップ

元銀行員が住宅ローンのすべてをわかりやすく説明します

公開日:2019年 4月14日
更新日:2023年 8月25日


トップページ > 住宅ローンの審査 > 住宅ローンの審査に落ちた場合 > 住宅ローンの審査に落ちた理由、原因を探す

住宅ローンの審査に落ちた理由、原因を探す

住宅ローンの審査に落ちた理由、原因を探すことからすべてが始まります。
銀行や保証会社の審査基準はまちまちです。
銀行や保証会社がどのような基準で審査しているのかはわからないので、審査に落ちた明確な理由を探すのは正直難しいところがあります。
住宅ローンの審査に落ちた場合、通常申し込みをした金融機関の営業店担当者からその結果が知らされます。
大半の場合は「なぜ落ちたんですか?」と審査に落ちた理由を訊ねられます。
金融機関は審査に落ちた理由を申込人に回答することはできません。
しかし、金融機関が行う事前審査(仮審査)で落ちたのか、信用保証会社が行う本審査で落ちたのかがわかれば、審査に落ちた理由を推測することが可能です。
金融機関が行う事前審査(仮審査)は通ったのに、信用保証会社が行う本審査で落ちるというケースは実に多く、その場合は収入、借入金額、返済期間などから審査される「定量的な返済能力」というより、過去のクレジット延滞などによる「定性的な信用力」が原因になっていることが考えられます。
住宅ローンの審査に落ちてしまう理由は、実にたくさんあるんです。
収入、借入金額、返済期間などから審査される「定量的な返済能力」はある程度見当が付きます。
そこに原因があるのなら、借入金額の削減、金利の上乗せ、保証人の追加など金融機関が対応できる条件を提示する場合があり、その条件を満たすことで審査は通ったりします。
原因がよくわからないのが過去のクレジット延滞などによる「定性的な信用力」で審査に落ちた場合です。
この原因が様々考えられるんです。
具体的に例を見ていきましょう。


携帯電話料金の未納

最近多いパターンです。
人気のiPhoneなどの携帯電話機種を購入する場合、代金を分割支払いにして購入する方も多いと思います。
請求は通話料と一緒に来ることになりますが、この携帯電話機種の代金部分はローンなんです。
その支払いを口座振替にしていた場合、その請求の引落日に引落口座に充分なお金が入っていなかったために引き落としができず、しばらくほったらかしにしてしまったといった例などです。
このケースはローンの延滞と見なされ、個人信用情報上アウトです。
クレジットカード払いにしておくというのも1つの方法ですが、クレジットカードの請求代金引落日に引落口座が残高不足で引き落としができないとこちらはクレジットカードの延滞となり、これまた個人信用情報上アウトです。

クレジットカードの延滞

上記で携帯電話代金のクレジットカード払いのケースを書きましたが、クレジットカードはそのほか様々な支払いに利用されます。
ショッピングに限らず飲食店での代金、公共料金、スポーツジム等の会費、習い事の月謝などもクレジットカードで払えたりします。
特にネットショッピングの増加に伴い、クレジットカードの利用は増えています。
クレジットカードの代金は金融機関の口座から引き落とされますが、その請求の引落日に引落口座に充分なお金が入っていなかったために引き落としができないと、クレジット代金の延滞となり個人信用情報上アウトです。

クレジットカードのキャッシング枠

意外な落とし穴がクレジットカードのキャッシング枠です。
クレジットカードはショッピング等の支払いだけでなく、ATMにクレジットカードを入れるだけである一定枠まで簡単にお金借りることができるキャッシング機能があります。
いつでもお金が借りられるわけですから、借りていなくてもこの枠が既に借りているものだとみなされてしまうことがあるんです。
つまり、キャッシング枠のついたクレジットカードをたくさん持っていると、キャッシング枠を使っていなくてもお金を借りていると見なされ、これが理由で住宅ローンの審査に通らないという場合があります。
ですから住宅ローンを申し込む前に、使っていないクレジットカードは解約し、使っているものに関しては、使わないキャッシング枠があるのであれば、この枠もはずしてしまうとよいと思います。
キャッシング枠のはずし方は簡単で、クレジットカードの裏に書いてある電話番号に電話をし、キャッシング枠を外したいと伝えるだけで大丈夫です。

「定性的な信用力」で審査に落ちた要因は、このほかにも様々ありますが、問題はこの要因に気づいていない場合です。
私の話ですが、昔こんなことがありました。
私は銀行員時代長く東京に勤務していました。
ある日、懇意にしていたある信託銀行の担当者から、その信託銀行のカードローンの加入を依頼されました。
その信託銀行でカードローンのキャンペーンがあり、ノルマがきたらしいんです。
必要はなかったんですが、お付き合いでその信託銀行のカードローンを申し込みました。
年間手数料が千数百円かかるもので、預金口座を作成しその口座に年間手数料分として2,000円入金しておきました。
もちろんそのカードローンは使用することもなく放置していました。(というより存在すら忘れていました)
それから十数年が経過し、私が転勤で東京を離れることになりました。
荷物を整理していたら、十数年前に作ったカードローンのカードと通帳がひょっこり出てきたんです。
「そういえば、ずいぶん昔に頼まれて作ったんだっけ」なんて思いながら、充分義理も果たしたし、引っ越す前に解約手続きすることにしたんです。
後日の昼休みにカードローンを作成した信託銀行の窓口に解約手続きに行きました。
そこでビックリすることがあったんです。
なんと全く使用していないカードローンの解約で精算金を2万数千円請求されたんです。
「ちょっと待ってください、これは頼まれて作ったカードローンで、一切利用していませんよ」と告げると、窓口の女性は申し訳なさそうに
「このカードローンは年間手数料がかかりまして、毎年の年会費をカードローンから借りて支払っている形になっており、ぞの借り入れに借り入れ利息が付いてこの清算金額になります」
そうなんです、自分では全く知らない間にカードローンを使っていたことになっていたんです。
幸い毎年の年間手数料は借金という形で支払っていることになっていましたので、延滞扱いにはなっていませんでした。
釈然としませんでしたが、清算金額を支払ってカードローンを解約しました。
私の不注意ということもありますが、このように自分が気づかないことで思わぬ債務を負っていたり、支払代金が未納、滞納になっているケースは少なくないんです。
このように自分で気づかないうちに問題を起こしているケースがあるんです。
まして、身に覚えのある場合はなおさらです。
そこに、住宅ローンの審査に落ちた理由、原因があるはずです。
次のページではその理由、原因を具体的に確かめる方法について説明します。


ナビゲーション