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元銀行員が住宅ローンのすべてをわかりやすく説明します

公開日:2019年 4月14日
更新日:2019年 4月14日


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住宅ローンを借り換える金融機関を探す

住宅ローンを借り換える金融機関を探す
現在借りている住宅ローンの内容を確認して、借り換える住宅ローンを検証してみた結果、借り換えにメリットがあると判断した場合は、早速借り換えの準備に取り掛かりましょう。
その場合は、少しでも早い方がメリットが出ます。
住宅ローン借り換えのメリットを最大に引き出すためには、少しでも金利の低い金融機関で借り換えを行うことが大切です。(借り換えにかかる諸費用も含めて考える必要があります)
住宅ローンの借り換えは、ある意味住宅ローンを新規で申し込むことと同じです。
残債2,500万円の住宅ローンを借り換える場合は、2,500万円の住宅ローンを新規で借入れることに等しいんです。
ここで、金利による影響額を見てみましょう。
条件は借入金額(残債)2,500万円、返済期間25年、全期間固定金利型、元利均等返済、ボーナス併用払いなしとします。

 金利  毎月返済額  年間返済額  総返済額
 3.0% 118,552円 1,422,624円 35,565,600円
 2.9% 117,256円 1,407,072円 35,176,800円
 2.8% 115,968円 1,391,616円 34,790,400円
 2.7% 114,688円 1,376,256円 34,406,400円
 2.6% 113,417円 1,361,004円 34,025,100円
 2.5% 112,154円 1,345,848円 33,646,200円

ご覧の通りわずか0.1%の金利差であっても、毎月で約1,300円、年間で約16,000円、総額では40万円の差になるんです。
たった、0.1%の金利差ですよ。
ですから、少しでも金利の低い住宅ローンで借り換えるべきなんです。
せっかく住宅ローンの借り換えをするのなら、金利には徹底的にこだわって下さい。
それでは、住宅ローンを借り換えるそれぞれの金融機関の特徴について説明します。


公的ローンと民間ローン

貸し出す金融機関の種類によって「公的ローン」と「民間ローン」に分かれます。
一般的には銀行などの金融機関が取り扱う「民間ローン」の方がなじみがあるかもしれないですね。
「公的ローン」は住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)融資、財形住宅融資、自治体融資のことをいいます。
物件に対する条件がありますが、年収など借主に対する条件はやや低く金利面でも比較的有利です。
「民間ローン」は、銀行、信用金庫・労働金庫、住宅ローン専門会社、生命保険会社などの金融機関の融資です。
年収、返済能力などの借主に対する条件は比較的厳しいですが、物件に対する条件はやや低く融資限度額も高めです。
そのほかには会社が独自に行っている社内融資などもあります。

公的住宅ローン
公的ローンは住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)融資、財形住宅融資、自治体融資のことをいいます。
物件に対する条件がありますが、年収など借主に対する条件はやや低く金利面でも比較的有利です。
銀行などの民間ローンと比較し、自分のライフプランに合った条件のローンを見つけることが大切です。
公的住宅ローンの詳細については「公的住宅ローン」のページをご参照ください。

民間住宅ローン
民間住宅ローンは、銀行、信用金庫・労働金庫、住宅ローン専門会社、生命保険会社などの金融機関の融資です。
年収、返済能力などの借主に対する条件は比較的厳しいですが、物件に対する条件はやや低く融資限度額も高めです。
一般的になじみのある住宅ローンと言えば民間ローンではないでしょうか。
商品性もバラエティーに富んでおり、金利だけでみても変動金利型、固定金利選択型、全期間固定金利型とさまざまです。
民間住宅ローンの詳細については「民間住宅ローン」のページをご参照ください。

社内融資
ローンとは少し性格が違いますが、会社によっては福利厚生の一環として独自にローンを提供するところもあります。
会社が社員に直接融資する場合や民間ローンの利子補給をするケースがあります。
制度は会社によって様々でしょう。
もちろん会社を辞めるときは一括返済しなければいけません。
公的ローンや民間ローンと比較して金利面などの条件が有利であればぜひ活用しましょう。

民間住宅ローンの特徴

住宅ローンの選択肢として最も幅が広いのは民間住宅ローンです。
民間住宅ローンについてもう少し掘り下げてみましょう。

金利は金融機関で変わる
住宅ローンのベースとなる市場金利はその時々の経済状況で決まりますので、そのベース金利は金融機関によって大差はありません。
しかし、金融機関によって住宅ローンの金利は違うんです。
同じ商品がお店によって値段が違うように、住宅ローンの金利だって金融機関で異なります。

ネット銀行は一般の金融機関より住宅ローン金利が低い
ネット銀行は店舗のある一般の金融機関に比べ住宅ローンの金利は低く設定されています。
なぜなら、店舗を持たない分コストが安く抑えられているからです。
一般的な金融機関は数多くの支店を持ち、そこに多くの従業員を張り付けています。
ネット銀行はそれがないため、経費が掛からないんです。
ですから預金金利はネット銀行が高く、住宅ローン金利もネット銀行が低いんです。
住宅ローンの金利が低いことは大きな魅力ですが、デメリットもあります。
ネット銀行ですからすべての手続きがネットと郵便での手続きになるために手間と時間がかかります。
特に土地・建物の担保設定などは面倒かもしれません。
住宅ローン借入時や借入後の様々な相談は対面式である一般の金融機関の方が何かと便利です。
また、ネット銀行は書面のみの審査ですからリスクを避けるために審査が厳しくなっているところが多く、特に自営業者の方には審査が厳しいかもしれません。
以上をふまえると、比較的安定した勤務先で資金支払い時まで時間的余裕がある方でしたら金利の低いネット銀行の住宅ローンはお勧めです。

店舗のある一般の金融機関でも金利は異なる
店舗のある一般の金融機関でもそれぞれ金利は異なります。
店舗のある一般の金融機関と一口で言っても、都市銀行、信託銀行、地方銀行、信用金庫、信用組合、JAバングなど様々な形態があります。
金利にビックリするような差はないと思いますが、少なからず差はあります。
信用金庫、信用組合などように金融機関の規模が小さくなれば、多少審査が緩やかな分、金利も高めではないでしょうか。
金融機関同士の住宅ローン獲得競争はとても激しく、定期的にキャンペーンなどが行われますのでタイミングも重要です。

金利に差がない場合は、繰り上げ返済手数料の安い住宅ローンを選ぶ
住宅ローンを効果的に減らす方法に繰り上げ返済というものがあります。
繰り上げ返済とは毎月決められた返済額のほかに、別途余裕資金でローンの一部を返済することです。
これはストレートに効きます。
なぜなら、繰り上げ返済した分は元金返済にあてられるからです。
ですから繰り上げ返済を行なうと元金に対してかかるはずの利息が減り返済総額も少なくなります。
繰り上げ返済をすると住宅ローンの残高が減りますので、その後の返済が変わってきます。
「期間短縮型」と「返済額軽減型」の2通りです。
期間短縮型は毎月の返済金額はそのままで、当初の予定よりも返済期間を短縮するものです。
返済額軽減型は返済期間を変えずに、毎月の返済額を軽減させるものです。
それぞれメリットがありますが、私は総支払額が減少する期間短縮型をお勧めします。
住宅ローンの借入後、住宅ローンの返済に加えて貯蓄もされますよね。
都市銀行の定期預金金利は0.010%程度です。(2017年1月現在)
一方、都市銀行の住宅ローンの金利は変動金利型で0.650%程度、固定金利型(35年)で1.350%程度です。(2017年1月現在)
金利を比べると変動金利型住宅ローンは定期預金の65倍、固定金利型では実に定期預金の135倍の金利なんです。
子供の教育費や不測の支払いに備えて貯蓄は大切です。
しかし、必要充分な額を超える貯蓄は繰り上げ返済に回した方が得なんです。
それは0.650%や1.350%の定期預金と同じ効果なのですから。
ですから、そのご家族で必要充分な貯蓄額を把握し、それを上回る分については貯蓄に回さず繰り上げ返済にあてられることをお勧めします。
まとまった金額で繰り上げ返済されても構いませんが、コツコツ細かく繰り上げ返済をした方がより効果的です。
ただ、ここで問題になるのが繰り上げ返済にかかる手数料なんです。
多くの金融機関は繰り上げ返済について手数料を設けています。
金利タイプや繰り上げ返済の金額にもよりますが、数万円の手数料を取られる場合があります。
自分の借金を返済するのに手数料を取られるなんてばからしいですよね。
銀行は住宅ローンをより長く、より多く借りていてほしいんです。
だから繰り上げ返済を嫌うんです。
銀行が嫌う繰り上げ返済は裏を返せば借主にとっては有利でお得な制度なんです。
繰り上げ返済を有効に活用するために、繰り上げ返済手数料の安い住宅ローンを選びましょう。
ネット銀行では繰り上げ返済手数料が無料のところもありますし、銀行によってはネットバンキングでの手続きでしたら繰り上げ返済手数料が無料だったり、割引されているところもあります。
住宅ローンを選ぶ際、金利だけでなく繰り上げ返済手数料についてもぜひチェックしてください。

まとめ

住宅ローンを借り換える(申し込む)金融機関選びで最も大切なことは少しでも金利の低い金融機関を選ぶことです。
そしてその金融機関で自分が希望する条件の住宅ローンを選ぶことです。
民間の金融機関では多少の差はあれ、ほぼ自分が希望する条件の住宅ローンを用意しているはずです。
地方では都市銀行などの店舗もなく選択肢が少なくなりますが、その中で自分が利用できる金融機関を徹底的に比較して、金利の低い金融機関を探しましょう。
ネット銀行であれば地域的な問題はなく、金利も低いので検討してみる価値は充分です。
また、金利に差のない場合は繰り上げ返済手数料の安い住宅ローンを選ぶと住宅ローンを効率的に減らすことができます。
冒頭で説明しましたが、金額が大きく、返済期間が長期にわたる住宅ローンはわずか0.1%の金利差であっても返済額に大きな違いが出てきます。
少しでも金利の低い住宅ローン(金融機関)を探してみて下さい。
最後にもう一つ。
住宅ローンの借り換えとはいえ、新規の申し込みと同じである説明は何度も繰り返しました。
新規の申し込みであるということは、住宅ローンの審査が再度行われるということです。
住宅ローンの審査に落ちてしまっては元も子もありません。
住宅ローンの借り換えを申し込む前に、きちんと審査の準備もやっておきましょう。
住宅ローン審査の準備については「住宅ローン審査の準備をする」のページをご参照ください。

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