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元銀行員が住宅ローンのすべてをわかりやすく説明します

公開日:2019年 4月14日
更新日:2019年 4月14日


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住宅ローンの返済期間を検討する

住宅取得の費用総額を計算して、自分で用意できる資金と祖父母から援助してもらう資金が分かれば、住宅ローンの借入額が分かりましたよね。
住宅ローンの借入額が決まれば、次にこれを何年で返済するかの返済期間を考えます。
住宅ローンは銀行に対する金利の付いた借金ですから、できるだけ早く返済したいですよね。
そうすれば支払う利息も少なくて済みます。
しかし、返済期間が短ければその分の毎月の返済金額は増えることになります。
ですから、年収や家族構成に応じた無理なく返済できる金額を算定して返済期間を決めることになります。
では住宅ローンの返済期間の考え方について見ていきましょう。


無理のない返済金額とは

一般的に返済負担率が25%以下が無理のない返済金額であると言われます。
返済負担率とは年収に占める年間返済額の割合のことを言います。
年収は税込だったり、手取だったりと金融機関によって基準が異なりますが、ここでは税込の年収で考えていきます。
返済負担率 = 住宅ローンの年間返済額 ÷ 年収(税込) × 100
もし住宅ローン以外のローン(自動車ローンなど)があれば、その返済額も含めて計算します。
住宅ローンの年間返済額が100万円で、年収が400万円なら、
100万円 ÷ 400万円 × 100 =25%
返済負担率は25%ということになります。
金融機関はこの返済負担率に基づいて住宅ローンで貸せる額を計算するんです。
一般的に金融機関では、借りる人の年収により返済負担率を25〜40%程度としています。
年収が高ければ、住宅ローンの返済に回せる額も多いので返済負担率は高めで計算されるんです。
住宅金融支援機構のフラット35は返済負担率の基準がはっきり決まっています。

 年収  400万円未満  400万円以上
 返済負担率  30%  35%

年収400万円未満でも返済負担率が30%までなら大丈夫としているんです。
ですから、返済負担率が25%以下であれば無理のない返済金額であると言えます。

毎月(毎年)の返済金額から返済期間を決める

住宅ローンの借入額と毎月(毎年)の返済金額が決まれば返済期間が決まります。
返済負担率を返済に無理のない25%とした年収別の毎月(毎年)の返済金額は次のようになります。

年収別返済額目安

年収
(税込) 
 毎月の返済額  年間の返済額
 300万円  62,500円  750,000円
 400万円  83,333円  1,000,000円
500万円 104,166円 1,250,000円
600万円  125,000円 1,500,000円
700万円 145,833円 1,750,000円
800万円 166,666円 2,000,000円
900万円 187,500円 2,250,000円
1000万円 208,333円 2,500,000円
1200万円 250,000円 3,000,000円
1500万円 312,500円 3,750,000円

年収別の返済負担率25%返済額がわかりましたので、次は年収別に借入金額に応じて返済期間を求めます。
条件は金利4%の固定金利、元利均等払い、ボーナス併用払いなしとします。
年収は税込です。
金利は少し高いんじゃないと思われる方もいらっしゃると思いますが、ここでは保守的に考えたいと思いますので、金利4%でシミュレーションします。

年収300万円
 借入額  返済回数  返済期間
 1000万円 229回  19年1か月
 1250万円 330回  27年6か月
 1500万円 484回  40年4か月
 1750万円 814回  67年10か月

年収が300万円ですと、借入金額が1500万円で返済期間が40年を超えますので、借入金額自体もこのラインが上限に近いと思います。
もちろん返済負担率を引き上げれば、毎月の返済額も増えますので返済期間も短くなりますし、借入額を増額することは可能です。
ただし、毎月の返済もきつくなります。

年収400万円
 借入額  返済回数  返済期間
 1000万円 154回  12年10か月
 1250万円 208回 17年4か月
 1500万円 275回 22年11か月
 1750万円 362回 30年2か月
2000万円 484回 40年4か月
2250万円  692回 57年8か月

年収が400万円ですと、借入金額が2000万円で返済期間が40年を超えますので、借入金額自体もこのラインが上限に近いと思います。

年収500万円
 借入額  返済回数  返済期間
 1000万円 116回  9年8か月
 1250万円 154回 12年10か月
 1500万円 197回 16年5か月
 1750万円 247回 20年7か月
2000万円 307回 25年7か月
2250万円 383回 31年11か月
2500万円 484回 40年4か月 
2750万円 637回 53年1か月 
3000万円 967回 80年7か月 

年収が500万円ですと、借入金額が2500万円で返済期間が40年を超えますので、借入金額自体もこのラインが上限に近いと思います。

年収600万円
 借入額  返済回数  返済期間
 1000万円 93回 7年9か月
 1250万円 122回 10年2か月
 1500万円 154回 12年10か月
 1750万円 189回 15年9か月
2000万円 229回 19年1か月
2250万円 275回 22年11か月
2500万円 330回 27年6か月
2750万円 397回 33年1か月
3000万円 484回 40年4か月
3500万円 814回  67年10か月

年収が600万円ですと、借入金額が3000万円で返済期間が40年を超えますので、借入金額自体もこのラインが上限に近いと思います。

年収700万円
 借入額  返済回数  返済期間
 1000万円 78回 6年6か月
 1250万円 101回 8年5か月
 1500万円 126回 10年6か月
 1750万円 154回 12年10か月
2000万円 184回 15年4か月
2250万円 217回 18年1か月
2500万円 255回 21年3か月
2750万円 298回 24年10か月
3000万円 348回 29年0か月
3500万円 487回 40年4か月
4000万円 738回 61年6か月

年収が700万円ですと、借入金額が3500万円で返済期間が40年を超えますので、借入金額自体もこのラインが上限に近いと思います。

年収800万円
 借入額  返済回数  返済期間
 1000万円 67回 5年7か月
 1250万円 86回 7年2か月
 1500万円 107回 8年11か月
 1750万円 129回 10年9か月
2000万円 154回 12年10か月
2250万円 180回 15年0か月
2500万円 208回 17年4か月
2750万円 240回 20年0か月
3000万円 275回 22年11か月
3500万円 362回 30年2か月
4000万円 484回 40年4か月
4500万円 692回 57年8か月

年収が800万円ですと、借入金額が4000万円で返済期間が40年を超えますので、借入金額自体もこのラインが上限に近いと思います。

年収900万円
 借入額  返済回数  返済期間
 1000万円 59回 4年11か月
 1250万円 76回 6年4か月
 1500万円 93回 7年9か月
 1750万円 112回 9年4か月
2000万円 132回 11年0か月
2250万円 154回 12年10か月
2500万円 177回 14年9か月
2750万円 202回 16年10か月
3000万円 229回 19年1か月
3500万円 293回 24年5か月
4000万円 373回 31年1か月
4500万円 484回 40年4か月
5000万円 660回 55年0か月

年収が900万円ですと、借入金額が4500万円で返済期間が40年を超えますので、借入金額自体もこのラインが上限に近いと思います。

年収1000万円
 借入額  返済回数  返済期間
 1000万円 52回 4年4か月
 1500万円 82回 6年10か月
2000万円 116回 9年8か月
2500万円 154回 12年10か月
3000万円 197回 16年5か月
3500万円 247回 20年7か月
4000万円 307回 25年7か月
4500万円 383回 31年10か月
5000万円 484回 40年4か月
5500万円 637回 53年1か月
6000万円 967回 80年7か月

年収が1000万円ですと、借入金額が5000万円で返済期間が40年を超えますので、借入金額自体もこのラインが上限に近いと思います。

年収1200万円
 借入額  返済回数  返済期間
2000万円 93回 7年9か月
2500万円 122回 10年2か月
3000万円 154回 12年10か月
3500万円 189回 15年9か月
4000万円 229回 19年1か月
4500万円 275回 22年11か月
5000万円 330回 27年6か月
5500万円 397回 33年1か月
6000万円 484回 40年4か月
6500万円 605回 50年5か月
7000万円 814回 67年10か月

年収が1200万円ですと、借入金額が6000万円で返済期間が40年を超えますので、借入金額自体もこのラインが上限に近いと思います。

年収1500万円
 借入額  返済回数  返済期間
2000万円 72回 6年0か月
2500万円 93回 7年9か月
3000万円 116回 9年8か月
3500万円 140回 11年8か月
4000万円 167回 13年11か月
4500万円 197回 16年5か月
5000万円 229回 19年1か月
5500万円 265回 22年1か月
6000万円 307回 25年7か月
6500万円 355回 29年7か月
7000万円 413回 35年5か月
7500万円 484回 40年4か月
8000万円 577回 48年1か月

年収が1500万円ですと、借入金額が7500万円で返済期間が40年を超えますので、借入金額自体もこのラインが上限に近いと思います。

まとめ

住宅ローンの返済期間は短ければ短いほど支払う利息は少なくなり、総返済額も少なくなります。
しかし、毎月の支払負担は大きくなるんです。
最初から毎月の支払い負担の大きな短い返済期間を設定すると正直しんどいです。
お金に余裕がある時に、まとめて住宅ローンの一部を返済する「繰上返済」という方法で実質的な返済期間を短縮する方法もありますので、返済期間は毎月の返済に無理のないところで設定するほうが望ましいと思います。
住宅ローンの借入額が決まり、返済期間の目安が決まったら、次は住宅ローンの金利種類と返済方法を検討します。

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