貸し手(銀行などの金融機関)から見た住宅ローン
次に貸し手(銀行などの金融機関)について説明します。
銀行ってどうやって稼いでるかご存知ですか?
振込、口座振替、貸金庫等の手数料収益もありますが、これらは収益のメインではありません。
銀行は幅広く預金を集め、そのお金をお金が必要な会社や個人に貸し出しての稼ぎが収益の柱です。
預金は預金者に利息を払います。
その一方、貸出先から利息を受け取ります。
当然預金金利より貸出金利が高くなっています。
銀行は貸出先から受け取る利息と預金者に支払う利息の差で稼いでいるわけです。
分かりやすく図にするとこんな感じです。
つまり住宅ローンは住宅を購入するためにお金が必要な個人が銀行から借りるお金ということになります。
そのお金の元は銀行が預かった預金です。
銀行は預金者に対してその預金に利息を付けて払い戻す義務があります。
銀行は預金者から預かった預金を貸出金としてお金が必要な会社や個人に貸し出しているわけですから、会社や個人からきちんと返済してもらわなければいけません。
ですから銀行は誰にでもお金を貸すわけではなく、きちんと返済してくれる信用のおける会社や個人にしかお金は貸しません。
だって、元はと言えば預金者からお預かりした大切な預金ですから。
では、きちんと返済してくれる信用のおける会社や個人であるとどう判断するのでしょう?
これには貸し出しについて審査というものを行います。
審査については別途詳細に説明しますのでここでは割愛します。
では、貸出金としての住宅ローンとはどのような位置づけになるのでしょうか?
ここが貸し手(銀行などの金融機関)から見た住宅ローンのポイントになります。
銀行が個人に貸し出すお金を個人ローンと言います。
個人ローンには住宅ローンをはじめ、マイカーローンやカードローン、フリーローン、教育ローンのようなものがあります。
住宅ローン以外の個人ローンは原則担保は取りません。
その代わりに保証会社の保証を付け、金額によっては連帯保証人を付けたりします。
保証会社とはお金を借りた個人が返済できない場合に、その個人に代わって銀行にそのお金を一括返済します。
その場合貸し手となる債権者は銀行から保証会社に移り、お金を借りた個人は保証会社にローンを返済することになります。
つまり銀行はお金を借りた個人が返済できなくなっても、保証会社が一括で返済してくれるので取りっぱぐれがないんです。
では住宅ローンはどうでしょう。
住宅ローンはその他の個人ローンと違い金額も大きくなるので、土地と建物に抵当権という担保権を設定します。(抵当権については別途詳細に説明します)
それに加え他の個人ローン同様保証会社の保証も付けます。
住宅ローンについても、お金を借りた個人が返済できなくなった場合、保証会社が銀行に一括で返済する仕組みになっています。
この場合も貸し手となる債権者は銀行から保証会社に移り、抵当権も保証会社に移行し、住宅ローンを借りた個人は保証会社に返済することになります。
また借り手が亡くなった場合に備えて団体信用生命保険(団信)という生命保険への加入を原則義務付けており、万全のの備えをしています。
銀行って取りっぱぐれないようになっているんです。
えげつないでしょ。
もちろん保証会社も慈善事業をやってるわけではありませんので、保証をするにあたってその個人の審査を行います。
このように住宅ローンは土地、建物を担保に取り、さらに保証会社の保証まで付け、生命保険に加入させるといった、ある意味ガチガチの個人ローンであり、銀行にとっては基本的に取りっぱぐれのない貸し出しになります。
貸し手(銀行などの金融機関)から見た住宅ローンは貸し手にとってめちゃめちゃおいしい商品になります。